中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

東野圭吾「レイクサイド」

妻は言った。「あたしが殺したのよ」―湖畔の別荘には、夫の愛人の死体が横たわっていた。四組の親子が参加する中学受験の勉強合宿で起きた事件。親たちは子供を守るため自らの手で犯行を隠蔽しようとする。が、事件の周囲には不自然な影が。真相はどこに?そして事件は思わぬ方向に動き出す。傑作ミステリー。
(「BOOK」データベースより)
$Trial and Error-rakeside

74点


なぜ東野圭吾を語る際にこの作品があまり出てこないのだろう。
個人的には「探偵ガリレオ」より好きな作品ではある。

湖畔の別荘を舞台に個性的な4組の親子と塾講師が織り成す緊張感あふれるサスペンス。
話はどこに進むのか、想像も出来ない方向に進んでいく。

キャラクターの書き分けも見事。
そして誰もが何かを隠している雰囲気も見事に描かれている。

特に主人公のみ義父であり、受験に懐疑的という心理的な一匹狼の状況を、トリックや展開に見事に活かしている点は見事としか言いようが無い。

ラストも個人的にはとても好きな作品で、なんともいえない読後感は読者の気持ちも「レイクサイド」に縛り付けるかのようでもある。