中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

水田美意子「殺人ピエロの孤島同窓会」

日本から1500キロ離れた、東硫黄島。島の外輪火山が噴火し、住民は東京に強制移住させられ、現在は、観測所を守っている老人が1人住むだけの孤島である。そんな島で同窓会が開かれることになり、4年ぶりに東硫黄高校同窓生が集まった。出席者はクラスメイト36人中、不登校だった1人を除いた35人。和やかムードで進んでいた同窓会は、突如現れた殺人ピエロにより恐怖の孤島と化す。次々と同窓生たちを惨殺し始める殺人ピエロの正体は?第4回2006年『このミステリーがすごい!』大賞特別奨励賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
$Trial and Error

15点


将来が楽しみな12才の作家が書いた作品。
では「買いか」といえば「買いではない」。

バトル・ロワイヤル」をどうしても思い浮かべてしまう本作だがこのジャンルで大事なことが2つあると思う。
①登場人物のキャラクターが生きているか
②使い古されたネタを新鮮に見せるトリック
この2つが本作には圧倒的に欠けている。
多少のひねりはあるものの、今まであった小説のなぞりに感じてしまう。

とはいえ、12才が書く作品としてはケータイ小説などとは比較できない文章力・完成度には達している。
心理描写も年齢を鑑みればよく出来ていると思う。
その分、アイデア勝負で突飛な面白さを押し出すケータイ小説に比べ、小さく纏まってしまった感も否めない。

乙一が出てきたときの衝撃(まあこれも賛否両論あるが)に比べると、やや衝撃不足ではある。