「美女と野獣」
進歩的な考え方が原因で、閉鎖的な村人たちとなじめないことに悩む美女ベル(エマ・ワトソン)。ある日、彼女は野獣(ダン・スティーヴンス)と遭遇する。彼は魔女の呪いによって変身させられた王子で、魔女が置いていったバラの花びらが散ってしまう前に誰かを愛し、愛されなければ元の姿に戻ることができない身であった。その恐ろしい外見にたじろぎながらも、野獣に心惹(ひ)かれていくベル。一方の野獣は……。
(シネマトゥデイ)
65点
これってあんまり共感されないんですが、知ってる話を見るのってあんまり好きじゃないんですよね。知ってる漫画がアニメ化とかすると最初は楽しみなんですが、実際見ると当たり前なんですが知ってる展開が続くので、「知ってるなぁ・・・」と思い途中で飽きちゃうんですよね。(もちろん映像や脚本次第ではあるんですが・・・)
そんなこともあり、なんとなく回避していた本作なんですが、ついに見てみました。
以下ネタバレあり
豪華なCGと完璧なミュージカルシーン。キャストのイメージもピッタリでよく作られた作品だと思います。それでも不満足な点がいくつかあり、そこまで高評価にはなりませんでした・・・期待してたよりは良かったんですが・・・。
とにかく長い
これアニメは84分で実写は130分もあるんですよね。アニメ版は昔見てから一回見返した位なので細かいストーリーを覚えてる訳では無いんですが、出会い→惹かれあう→街の人とガストンが攻め入る→ハッピーエンドという展開は覚えていたんです。でとにかくいつまでたってもガストンが攻め入らないんですよねw
ストーリー知らないで見たら気にならないと思うんですが、知ってるととにかく長い・・・リメイクならではの中だるみを感じてしまいました。
今っぽい黒人の起用と古臭いハッピーエンド
最近の映画に多いんですが、不自然な黒人の起用ってどうなんですかね。もちろん原作で黒人がやっていた役を白人がやるような「ホワイトウォッシュ」は良くないと思うんですが、今回の舞台は産業革命前のフランスなのにお城の従者や町の住人に黒人がいっぱいいるんですよね。これって江戸時代の日本の映画撮るのに、人種差別に配慮して白人や黒人を出すようなものかと・・・。ある意味白人の役を奪っていることにはならないんですかね。
そこが妙に気になってしまい、ファンタジーの世界に不必要な要素が入ったような居心地の悪さが気になってしまいました。
そんな今っぽい配慮がある割にはストーリーは古いんですよね。確かにガストンは古いタイプの同情の余地の無いヴィランではあります。でも一緒に城に攻めいった街の人とかは無罪放免なのに、ガストンは城から落下し死亡ですか・・・。
特にル・フウはベルのお父さんに対して殺人未遂までしているのに、コメディっぽいキャラで可愛げがあるから無罪で、ラストはお城でダンスしているんですよね。
最近のディズニーって勧善懲悪じゃなくて、ちゃんと問題提起するようなラストが多いですし、差別への向き合い方もしっかりとした視点を提示していたような気がします。(ズートピアなど)
今回の映画はその辺がバラバラというか、浅いというかいまひとつ纏まりを感じませんでした。純粋に素晴らしいミュージカル要素のあるファンタジーとして、リメイクしたほうが良かったと思います。