「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」 レミングスたちの幕間劇
帝国軍の誇る究極兵器デス・スターによって、銀河は混乱と恐怖にさらされていた。窃盗、暴行、書類偽造などの悪事を重ねてきたジン(フェリシティ・ジョーンズ)は反乱軍に加わり、あるミッションを下される。それはデス・スターの設計図を奪うという、困難かつ無謀なものであった。彼女を筆頭に、キャシアン(ディエゴ・ルナ)、チアルート(ドニー・イェン)、ベイズ(チアン・ウェン)、ボーティー(リズ・アーメッド)といったメンバーで極秘部隊ローグ・ワンが結成され、ミッションが始動するが……。
(シネマトゥデイ)
61点
上の階の住人が深夜1時に大声で歌っていて、隣の人が乗り込んでいく地獄の状況を、ラジオ気分で楽しんでいたせいで睡眠不足です。
映画見る暇が無いので、最近見たんですがレビューを書いていなかったローグワンについて書かせて頂きます。
以下ネタバレあり
第1の言い訳
まず大前提なんですが、自分はスターウォーズに全然ハマっていないです。
子供の頃に全くスターウォーズを見ていなくて、エピソード3がレンタルされ始めた頃に見ようかなとやっと思ったレベルです。
しかも友人から「せっかくなんだし1から順に6まで見なよ!」と言われ、それを実践したんですが大失敗でした。当たり前ですが4本目から古い映像になりますし。
旧三部作に関しては、○○が父親だと言う知っている設定が、6時間見た映画の中オチというのは相当きつかったです。
あの設定ってめちゃくちゃネタバレされてますが、最初の3部作の中オチなんですね。シックスセンスとかクライングゲームよりネタバレ禁止な気もしますが…。
新三部作もいまいちでした。
自分は闇落ちの展開をながながと引っ張られるの嫌いなんです。青の祓魔師とか見てて、「落ちるなら早く闇落ちしろよ!」とか思ってしまうんです。
あー、この人失敗したりして闇落ちするんだなと思って、その人の行動とか見るの結構つらいというか…。共感性羞恥持ちなので、それも影響してるんだと思いますが。
それもあって新三部作の6時間かけての闇落ちもめちゃくちゃ苦痛でした。
第2の言い訳
もともとSFというジャンルを全く子供の頃見ていなかったんですよね。
スタートレック、スターウォーズ、ブレードランナーは全く通過しないで、最初のSFが映画版の「攻殻機動隊」で、そこから小説「星を継ぐもの」「エンダーのゲーム」「死者の代弁者」「戦闘妖精・雪風」とか映画だと「12モンキーズ」「フィフスエレメント」を見たのが原体験なんです。
そのあたりを1995年くらいに見て、2005年あたりに初めてスターウォーズを見ると…やっぱり「ガジェット古いし、イマイチだなぁ」ってなっちゃって…ファンの人すいません…。
しかもスターウォーズって、みんなガジェットやキャラクター好きじゃないですか。そのせいで今っぽいガジェットやキャラクターと、80年前後のガジェットやキャラクターが混在してるじゃないですか。80年前後の旧三部作を愛せてない自分にとってはチグハグに見えるんですよね。
スペースオペラの良さとか、独特のガジェットの魅力とか全く伝わってないクソみたいな人間なんですよ、自分は…。
感想概要
そんな自分がローグワンをどう思ったか。当然イマイチでしたw
実は「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」と同時に「ローグワン」をレンタルしたんです。
で、スピンオフの「ローグワン」は評価も高いし楽しめるかなと思っていて、本編の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は楽しめないと思ってたんですが…逆でしたね。
レビューは書いてないんですが「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」はかなり良かったです。スターウォーズファンじゃない自分にも刺さりました。いつか書くかもしれないですが。
「ローグワン」は逆に全然でした。まぁ旧三部作と新三部作が好きじゃないのに、その間のスピンオフが楽しめるわけないですよねw
ここからはイマイチだった理由を書いていきます。
キャラクターについて
キャラクターの設定自体は魅力的なんですよね。ドニーイェンの座頭市風キャラクターも格好いいですし。
でも全然掘り下げが無いというか…みんな何を行動原理にしているかよく分からないんですよね。特にキャシアンの行動は?なものが多かったです。
ローグワンのチームもなんで集まったかよく分からないというか…。
寄せ集めのチームって設定は好きなんです。でもそこには必然性が必要ですよね。それが全く無いように感じました。パイロットとか、なんでローグワンに合流したのかよく分からないですし。
なんか「スーサイドスクワッド」を見た時の感覚に近いですね。キャラクターは魅力的なのにペラッペラというか。
ちなみに自分はマーゴット・ロビーよりカーラ・デルヴィーニュ派です。
「エンチャントレース…」のウィスパーボイス良かったです。
カタルシス無き死
そんな感じでキャラクター造形が甘いので、死亡シーンだけ濃密に書かれても、全然カタルシスを感じなかったです。
というかカタルシスある死を描こうとする狙いが露骨過ぎて、ペラペラの人物描写とのアンバランスさがより際立ってしまった感もありました。
"エピソード4につながる希望を手に入れて、全員かっこよく死亡"とだけ決まっていて、設定が魅力的なキャラクター配置をして、ファンが喜ぶように色々なシチュエーションが出てくるようにして、最後にそれに合わせてプロットを組んだようなチグハグなイメージ。
死亡が決まったキャラクターが、死亡シーンの前あたりから緩やかに死に向かって動いていくような…なんか脚本家を死神としたファイナルディスティネーションを見ている気分でした。
そもそも…
そもそも好きじゃ無い映画の前日譚見て楽しいわけないんですよね。「コップランド エピソードゼロ」を見て「いまひとつ!」って言ってるようなものですし。
でもスピンオフなら楽しめるかなと思ったんですが…ファンなら楽しめるんですかね、評価はかなり高いですし。
ちなみにレミングの死の行進って嘘らしいですね。レミングスは死の行進するので、タイトルはこっちにしました。
とりあえず今日の夜は上の住人が騒がないよう祈ることにします。