中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

井上夢人「あわせ鏡に飛び込んで」

幻の名作「あわせ鏡に飛び込んで」をはじめ、瞬間接着剤で男をつなぎとめようとする女が出てくる「あなたをはなさない」、全篇、悩み相談の手紙だけで構成されたクライムミステリー「書かれなかった手紙」など、選りすぐりの10篇を収録。精緻に仕掛けられた“おとしあな”の恐怖と快感。
(「BOOK」データベースより)

48点


井上夢人の短編集。
それほど強烈な味が無く、それでいて奇妙さと現実感がある長編。
それをショートにまとめると、「定番の奇妙さ」がある意外とありきたりな作品に仕上がってしまうのが残念な発見。

 

割と気に入ったのは「空部屋あります」。
収録作の中でもホラー色が圧倒的に濃い短編で、個人的に好みな理由のない恐怖を描いたもの。
しかし、この短編でも驚きや意外性、斬新さは見当たらない。

短編のよさの一つに、思い切りの良さや、振り切れた方向性などが出しやすい部分があると思う自分としては、無難ながらも物足りない作品だった。