西尾維新「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言使い」
絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、五人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする!工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友とその冴えない友人、「戯言遣い」いーちゃんは、「天才」の凶行を“証明終了”できるのか?新青春エンタの傑作、ここに誕生!第23回メフィスト賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
48点
圧倒的に好みが分かれる本作。
西尾作品全てに言えることなのだとは思うが。
天才の集まる孤島で行われた凶行。
それを解き明かすコンビというありふれた題材だが、キャラクターの強烈さと独自の語り口でオリジナリティを出している。
トリック自体はそれほどのものでもなく、天才が集まっているのにこんな簡単なポイントを見逃すのかという矛盾もある。
伏線に関しては次回作以降を意図して張られたものと、そうでないものが当然読者には区別できないので、最終的に未完な部分も多く、多少の違和感も。
その全てをキャラクターの魅力と語り口で相殺できるかに、この小説を評価できるかのポイントが存在する。
個人的にはそこまで面白い小説ではないと感じた。
主人公のポジショニングや、最後に現れる名探偵含め、今ひとつ物語の配置が上手くない気がする事が一つ。
後はダブルミーニングが露骨過ぎて、すぐに意味が分かってしまう事がもう一つ。
このあたりのマイナスが大きすぎるように感じた。