中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

東野圭吾「予知夢」

深夜、十六歳の少女の部屋に男が侵入、母親に猟銃で撃たれた。男は十七年前に少女と結ばれる夢を見たという。天才科学者湯川の推理
(出版社/著者からの内容紹介)

52点

 

ガリレオシリーズ第二段。

少しずつ、科学的ではなくロジカルな推理が入り込んできた作品。

 

ミステリとしての出来はともかく、短編としてのバランスは非常に良い。

オチが色々な方向に適度に分散され、湯川を除く各登場人物の人物描写も多くなっている。

 

ただ「夢想る」「騒霊ぐ」などミステリとして、トリックや結末があまりに不可解なもの。

「霊視る」など行動原理が今ひとつ納得できないもののある。

 

「絞殺る」「予知る」はなかなかの秀作。

短編的なトリックと、推理の流れなど面白みを感じる部分はある。

 

現在のガリレオシリーズから比べると見劣りするものの、試行錯誤が感じられる本作。

一読の価値はあると思う。