中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

奥田英朗「イン・ザ・プール」

トンデモ精神科医伊良部登場!深夜のプールに忍び込みたいと思ったこと、ありませんか?水泳中毒、ケータイ中毒、持続勃起症…ヘンなビョーキの博覧会。新・爆笑小説。
(「BOOK」データベースより)
Trial and Error

72点

 

空中ブランコ」と同時期に読んだ、伊良部シリーズ一作目。
町長選挙を読もうと思っているので先にレビューを。

ずいぶんレビューを溜めていたが、それには理由がある。
空中ブランコ」との差別化が非常に難しいのだ…。
短編ながらクオリティが安定しており、後はキャラクターの好み位しか優劣をつけがたい。
短編全体のイメージは、「空中ブランコ」のレビューに書いたこととかぶるのでそちらを是非。

 

それぞれの短編の内容は以下の通り。

イン・ザ・プール
伊良部に運動を勧められ、十数年ぶりに水泳を始めたところ、水泳中毒のようになってしった人のお話。
「勃ちっぱなし」
別れた妻のことを夢に見たある朝から、自分のモノが勃ったままおさまらなくなってしまった人のお話。
「コンパニオン」
コンパニオンをしているストーカーに悩む美人のお話。
「フレンズ」
携帯依存症の子供のお話。
「いてもたっても」
強迫神経症のルポライターのお話。

 

個人的にシリーズ、しかも同系統の話には優劣を付けたいので、それを考えると、病気のバリエーションや解決方法の面白さで「空中ブランコ」が好みだ。
というか先に「空中ブランコ」を読んでからの本作だったので、若干飽きたというのもある。
キャラクター小説もここまでいくと、どうしても飽きてしまうのだろう。
その分、最初に読んだ作品が高評価になる気がする。

 

是非本作を読んで二年後に「空中ブランコ」を読んだ方のレビューを読んでみたい。
それが正当な評価だと思う。