石田衣良「4TEEN」
銀座から地下鉄で10分、木造の長屋ともんじゃ焼きとスカイラインを切り取る超高層マンションが調和して共存する町・月島。この町で僕たちは恋をし、傷つき、死と出会い、いたわり合い、そして大人になっていく…。14歳の中学生4人組が1年間に出会った8つの瑞々しい物語。
87点
地元が題材だと、感情移入しやすい。
「新参者」を読んだときも感じたことだ。
月島、銀座と馴染み深い場所、そして自分も近い場所で過ごした少年時代。
そういう意味では過大評価しやすい心理は働いているとは間違いない。
この作品の持つ懐かしさ。
それは田舎での生活を描くノスタルジーではなく、極めてリアルな14才の姿だ。
そしてこの本が広い世代に読まれていることは、皆が持っている14才という大人でも子供でもない微妙な時代の思い出と、どこかしら符合しているからだと思う。
ただ前から気になってる、この作者独特の各章ラストの終わらせ方。
「だって~だからさ」のような妙に若者を意識した言い回しはどうも好きになれない。
「池袋ウエストゲートパーク」の時も思ったが、変な寒々しさ、おじさんが若者のフリをしている様な寒さを感じてしまう。(それは自分がおじさんだからかも知れないが…)
そこ以外はパーフェクトに面白い。
6TEENも今週中には読破したいと思う。