中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

東野圭吾「新参者」

日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。
(「BOOK」データベースより)
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74点


東野圭吾の新作「新参者」を友人から誕生日プレゼントで貰った。
大好きな加賀恭一郎シリーズだが、今回は場所を移して東京・日本橋のお話。

ミステリーとしての完成度は高いとは言えないが、人情話としてはグッとくるものがある。
(個人的に人情話をあまり読んでいないからかもしれないが…)

また舞台となる日本橋のチョイスも絶妙。

日本橋は作中では「下町」として描かれているが、所謂浅草や葛飾のような場所と違い、下町と山の手が混ざりあった二面性を持った場所である。
その特徴や雰囲気が話のエッセンスとして綺麗に入り込んでいる。

家から近い日本橋の風景を思い浮かべながら読むと、まるでそこに登場人物がいるかのような感覚さえ覚える作品。