中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

深町秋生「果てしなき渇き」

部屋に麻薬のカケラを残し失踪した加奈子。その行方を追う、元刑事で父親の藤島。一方、三年前。級友から酷いイジメにあっていた尚人は助けてくれた加奈子に恋をするようになったが…。現在と過去の物語が交錯し、少しずつ浮かび上がる加奈子の輪郭。探るほどに深くなる彼女の謎。そして用意された驚愕の結末とは。全選考委員が圧倒された第3回『このミス』大賞受賞作品。読む者の心を震わせる、暗き情念の問題作。
(「BOOK」データベースより)
$Trial and Error

72点


破壊的。そして強い疾走感。
娘を探す父親。
そしてイジメにあう少年。
そして二人を結ぶ「加奈子」。

二つの側面から高速で進むストーリーはどこに行き着くのか分からないまま進む。
ただ、読めば途中から深い絶望に向かって進んでいる皮膚感覚を覚えるだろう。

キャラクターや展開のえげつなさ。
それが嫌なのに読み進めさせられるパワー。
久々に面白い小説を読んだ感があった。

好みは確実に分かれる。
個人的には映画「オールドボーイ」に似た賛否両論な感覚を覚えた。
もちろん私は「オールドボーイ」が好きだ。

読ませる側も渇かせる威力を是非読んで体感してほしい