石田衣良「LAST」
もう後がない!追いこまれた7人のそれぞれのラスト!運転資金に苦しむ街工場主が闇金の返済期日にとった行動とは?零細企業のサラリーマンが旧式のテレクラで垣間見た地獄。ほか、全7篇。
(「BOOK」データベースより)
49点
人生崖っぷちの7人が織り成す、7話の短編集。
当然崖っぷちに立っているので、内容は重い。
作者も「ダーク&ビター」と言っている通りだ。
これを読んでどう感じるかは、その時の読み手の状況や性格が如実に出るタイプの小説だと思う。
短編としての出来は悪くは無い。
文章の軽さもテーマを重くしすぎずマイルドにしている。
暗いだけでなく、希望を残す話が入っていることも好感が持てる。
ただ、石田衣良を読むなら「4TEEN」や「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの方をお勧めする。
テーマがこれなら、もっと現代社会を抉るような意外性を見せてほしかった。