中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

「ベイビー・ドライバー」 凄腕の逃がし屋も、高すぎる評判からは逃げ切れず!

幼い時の事故の後遺症によって耳鳴りに悩まされながら、完璧なプレイリストをセットしたiPodで音楽を聴くことで驚異のドライビングテクニックを発揮するベイビー(アンセル・エルゴート)。その腕を買われて犯罪組織の逃がし屋として活躍するが、デボラ(リリー・ジェームズ)という女性と恋に落ちる。それを機に裏社会の仕事から手を引こうと考えるが、ベイビーを手放したくない組織のボス(ケヴィン・スペイシー)は、デボラを脅しの材料にして強盗に協力するように迫る。

シネマトゥデイ

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65点

2017年度最高傑作!」「音楽と映像のシンクロが凄い!

うーん見てみないとなぁ。

エドガー・ライトらしさも出ている!

…ん?それってどうなんだろう…あんまりエドガー・ライトの映画ってバチッとはまった事が無いんだよな…。

そんな感じでなかなか見れなかった本作。とりあえず焼酎でも飲みながら見れば楽しめるかなと見てみましたが…。

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや!評価高すぎでしょ!

まんまとハードル上げすぎてしまいました。

 

オープニングのシーンは確かに格好いいです。

銀行強盗を待つ逃がし屋のベイビー。戻ってきたメンバーを乗せて、The Jon Spencer Blues Explosion「Bellbottoms」に合わせてミラクルなテクニックで警察から逃げきる。そしてオープニングタイトル!

 

確かに格好いい…けど嫌な予感も。

ジョンスペの「Bellbottoms」は確かに格好いいです。想像通り「Bellbottoms!」の所で車を走らせ始めますしw

そこから始まるドリフトを多用したカーチェイスは一見の価値があります。

でもジョンスペかぁ…このセンスだと他の選曲が個人的にそんなに好みじゃない気も…。

 

そしてコーヒーを買いに行くベイビー。Bob & Earl「Harlem Shuffle」に合わせて街の様々なギミックが曲とリンクします。

うわーカイリーミノーグのPVみたーい!

でもPVみたいだけど…格好良かったり気持ちよかったり、それが音楽とリンクしたシーンの醍醐味だと思うんです。それが無いんですよね、なぜか。

 

アジト戻るとドク(ケヴィン・スペイシー)と仲間が金を分けているところ。え?金を分けている間にコーヒー買いにパシリさせられてたの?あんな凄いドライバーなのに?

でも、バディ(ジョン・ハム)は相変わらずいい顔しているし、ダーリン(エイザ・ゴンザレス)は美人だし、久しぶりに見たケヴィン・スペイシーも元気そうだし、ここからは期待できるのかなとか思ってみたり。

 

ベイビーの過去や逃がし屋をしている理由の説明、ダイナーで美人とあっさりいい感じになる納得いかないシーンを挟み2度目の強盗へ。

ドクに借金のあるベイビーはこの強盗で借金を返しきり、足を洗う予定。

今回のメンバーはバッツ(ジェイミー・フォックス)など新しいメンバー。無事に逃げ切り。今回で逃がし屋は終わり。

浮かれたベイビーはダイナーで出会った美人、デボラとディナーに。

そこでドクから次の強盗にも参加しないと愛する人を酷い目に合わせるぞと言われ、渋々次の作戦にも参加することに。

 

「お前は幸運のお守りだ」ってドクは言いますが…え、そんな大事に思っているのにコーヒーをパシらせてるの?しかも他のメンバーがベイビーを恫喝しても全然止めないし…。

 

最後の作戦は郵便局への強盗。メンバーはカップルとバッツ。前日に武器調達しろと言うドク。バッツって異常に好戦的だし指示を守らないし、何故ドクはこいつを使うのか…と思ってたら、案の定指示と関係無く武器の取引相手を皆殺しw 帰りにダイナーに寄ってベイビーに嫌がらせしたり、何がしたいんだ…。

ジェイミー・フォックスって名優ですよね。なのにこのキャラクター全然深みが無いんですよね。シーンに合わせてただ嫌なやつとか狂ったやつを演じているような。

 

そこから色々あって郵便局への強盗。逃げてきたメンバーが警備員を撃ったことに何故か激昂したベイビーは車を急発進。

前の車の鉄骨にドーン!ジェイミー・フォックス死亡!

え!?ジェイミー・フォックスが最初に死ぬの!?

ここめちゃくちゃビックリしましたw

 

そもそも失敗の原因も、逃がし屋のベイビーに郵便局の下見をさせて顔バレしたのが原因ですし。計画が破綻してますよね。

 

そして逃亡中にダーリンが死亡。

というか今更ですが男がバディで女がダーリンって分かりづらっ!!

 

デボラと合流したベイビーは、逆恨みから追ってくるバディから逃げることに。

銃を撃ったり車を強奪したりするベイビーに、全く問題なく順応するデボラ。いや、こんなこと言うのも何だけど、もう少し引いた方がいいよw

 

ドクのもとに危険を冒してまで行くベイビー。え、何しに行くの?と思ったら亡き母の声が入ったテープを取りにw 愛する人がいるのに危険を冒してまでそれを取りに行くか?

そして何故かベイビーを許し、逃亡資金を渡すドク。

「昔を思い出した…」と言って、愛する人が出来たベイビーに肩入れするのは「ゲッタウェイ」のドクをモチーフにしているとか言われてますが…モチーフのためにキャラクターの整合性を壊す必要ありますかね?

結局、バディが追ってきてドクはベイビーを守り死亡。ベイビーはバディを殺し逃亡するが警察の検問に捕まりデボラを残し投降。

裁判でベイビーのちょっとした善行を皆が証言し、やったぁ懲役5年!

出てきたら愛するデボラが待っててくれた!

 

って何だこれ!?

後半めちゃくちゃだし、とってつけたようなハッピーエンド。皆が「あの子は悪い子じゃなかった」と証言するシーンの薄っぺらさは失笑すらこぼれました。

 

確かに音楽とのリンクは凄いです。でも音楽とマッチしすぎて、逆にアクセントになってないんですよね。音楽自体が個人的にはそこまでツボじゃないという理由もあるんですが…。

最近の音楽が話題になる映画で言うと、デッドプール2とかキングスマンなんかはミスマッチの妙というか、そういったインパクトがあったんですよね。

この映画は80年代の音楽に合わせて街を歩いたり、カーチェイスしたり。マッチしすぎて埋もれているような…。

 

カッコいいシーンや展開もあるんですが、それに合わせてキャラクターが動くので行動に一貫性が無いんですよね。バディもラスボスみたいになってますけど、途中でベイビーに共感するシーンが謎に入ったり。

 

決してつまらない訳じゃないんです。でも絶賛されるほどとは感じなかったですし、音楽とのリンクも刺さらなかったです。

後、アンセル・エルゴートの格好良さも分からなかったです。髪形変ですし。