中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

「ペット 檻の中の乙女」

動物保護センター勤務のセス(ドミニク・モナハン)は、同級生のホリーを見掛け声をかけるが冷たくあしらわれ、SNSで彼女のことを調べ上げて執拗(しつよう)に追い回す。その後セスは帰宅した彼女をさらい、自分が働く動物保護センター地下のおりに監禁する。下着1枚でとらわれたホリーの姿を見て、飼い主気分に浸るセスだったが……。

シネマトゥデイ

f:id:yukinak:20180527230750j:plain

34点

監禁物ですが、ひねりが効いていると噂を聞きNetflixで鑑賞しました。…エロに期待していた訳ではないですよ?

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シッチェス映画祭で脚本賞を受賞した本作。脚本的に確かに見所はある意欲作ですが、面白いかと言われると…。

 

動物愛護センターで働くセスは、バスで高校時代の後輩でマドンナのホリーと出会います。サイバーストーキングの上で猛アタックするが相手にされないセス。挙げ句の果てに元彼に殴られる始末。ですが、そこで拾ったホリーの日記を読んだセスはホリーを監禁する事を決意します。

監禁場所は動物愛護センター内の隠れた場所。監禁され最初は怯えていたホリーですが、ホリーにだけ見える友人と話したり、ネズミを執拗に叩き潰したりと不審な行動も垣間見える展開。

そしてセスがホリーを監禁した理由は日記を読みホリーが殺人を犯していると知り、ホリーを救おうとしたからだと告げます。

元彼と浮気した友人はホリーが殺しており、それからシリアルキラーとして目覚めたホリーは浮浪者を殺害したりやりたい放題。ストーカーのセスはそれを見ていたのです。

そこから不審に思った同僚をセスが殺し、ホリーが隠蔽を指示したり、徐々に立場が逆転していく2人。

そしてホリーは愛しているなら指が欲しいとセスに懇願。指を切った痛みで落としたナイフをホリーが拾い、自殺すると脅して檻から脱出します。

ホリーはセスを刺して逃亡。その後元彼とヨリを戻したホリー。元彼が浮気していても元彼を殺したりはしません。ホリーが向かった先にはボロボロな姿で監禁されているセスの姿が。ホリーは殺人ではない新しい依存を見つけ、皮肉にもセスは殺人を止めさせることが出来ました。

おしまい。

 

うーん、なんですかねこのモヤモヤ感はw

監禁されているシリアルキラーと、監禁しているストーカーがイニチアシブを取り合うという設定は面白いです。

でも監禁されている側がシリアルキラーという大落ちがわかるのが、映画の半分くらいのタイミングで早いんですよね。また、いない友達が見えるというヒントが大きすぎて、マトモじゃないのが分かりやすすぎる気もします。

 

シリアルキラーと分かってしまうと、後の展開は読めますよね。主導権が逆転してシリアルキラーが脱出するんだなと。

出来ればこういう話って主導権が行ったり来たりする方が面白いんでしょうが、中盤を境にホリーの側に移ってからは一切主導権は戻らないです。

 

ホリーとセスのキャラクターもあまり一貫性が無く、シュチュエーションや展開、させたい会話に合わせてズラしていた印象も。

なので、セスがなぜ主導権を奪われたのか、ストーカーだったセスが同僚を殺し解体するまで追い込まれた理由みたいなものがあやふやで、フワッとした雰囲気で展開が進んでしまうのが今ひとつでした。シリアルキラーになった切欠も、シリアルキラーのキャラクターも薄っぺらかったですね。

 

急に出てきた指を切るという展開、そして指を切った痛みで落としたナイフで脱出という、 偶然に頼った脱出プラン。全てがチグハグで、せっかくの設定を活かせていなかった印象。

主演の2人の演技は良かっただけに残念。あまりお勧めできない映画ですね。

エロを期待している人もいるかと思いますが、下着の女性は出てきますがエロシーンは皆無ですのでご注意をw