「シェイプオブウォーター」
1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。
(シネマトゥデイ)
66点
公開直後に見てきたんですが、隣の席の人が終始バタバタしていたり、奇声?を上げたりしていてあまり集中できなかったです…隣の人の声かクリーチャーの声か分からないところもありましたし。
池袋の映画館ってマナー悪目なんですよね…最近はもっぱら日本橋でしか見てないです。
以下ネタバレあり
ギレルモ・デルトロは好きなんです。撮る映画のアイデアとか、クリーチャーデザインとか。でもバチン!!ってハマったこと無いんですよね。
パシフィックリムもパンズラビリンスも好きなんですが、手放しで最高かと言われるとそこまででは無いなと…。でもデルトロ好きの人って心底デルトロの映画を楽しんでる感じでうらやましいんですよね。今回の映画でハマれるかなと期待したんですが、結論から言うといつもと同じ感想と言うか…。
いいところは当然たくさんあります。クリーチャーデザインは最高ですし、フィンチャーっぽい急にハードになるシーン(猫食べたり、指がちぎれたり)の緩急もいいです。キャラクターも魅力的で、画家の悲哀のある恋愛や仕事のシーンもいいです。
でも…ストーリーがシンプル過ぎませんか?いや、寓話やおとぎ話のような世界観なので、ひねったストーリーがいらないってのも分かります。でもあまりにも先の予想がついてしまうと言うか。
悪役に関しても、多様性のある主人公たちに比べ、「古き悪きアメリカ」を具現化したような概念みたいな悪なんですよね。車を買うシーンはそのステレオタイプを自虐している感もありましたが…。まぁ寓話的な悪役と言えばそれまでなんですけど。
オリジナリティあるキャラクター表現が、手を使わずに尿をするっていうのもなんともw
他にも、首に爪痕みたいな傷があり、川に捨てられていたって主人公の設定が伏線らし過ぎて、「え?普通についた傷で、偶然川に捨てられてたの?」と肩透かしをくらったような感覚になりました。
もちろん意味のない設定じゃないですし、ラストで回収もされるんですが、ストーリーに絡んだ回収をされると思ったので…。
個人的には豊かな人間性を与えられた主人公たちに比べて、悪の要素だけ詰め込まれた悪役に強烈な悲哀を感じる映画でした。これでもかと悲惨な目にあいますしw
デルトロ監督らしいエッジも効いたダークファンタジーって感じで素敵な映画なんですけどね…楽しめたかって言われるとまずまずだったかなと。