中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

「LOGAN/ローガン」

近未来では、ミュータントが絶滅の危機に直面していた。治癒能力を失いつつあるローガン(ヒュー・ジャックマン)に、チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)は最後のミッションを託す。その内容は、ミュータントが生き残るための唯一の希望となる少女、ローラ(ダフネ・キーン)を守り抜くことだった。武装組織の襲撃を避けながら、車で荒野を突き進むローガンたちだったが……。

シネマトゥデイ

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90点

劇場で見たかったんですがなかなか行けず、やっと先日レンタルで見ました!

うーん劇場で見ればよかったですw

想像していた「こんな話なんだろうなぁ」を大きく裏切られました。

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそも想像していたのは「X-menのスピンオフ的な話」「ウルヴァリンが同じ能力の少女に戦い方を教えて強くする話」「ヴィランを倒す話」「ウルヴァリンが引退する話」というストーリーでした。そういった意味では当っているところもあれば、大きく外れている所もありました。

 

まず映画は銃を持った4人の若者とウルヴァリンとの戦闘から始まります。これに老いウルヴァリンは大苦戦。何発も撃たれてギリギリ2人を殺して、2人には逃げられるという絶妙な弱さw

そんなウルヴァリンをバックに「LOGAN」のタイトル。この段階で、今までの巨悪と戦い世界を救うX-menの映画と大幅に違うなと感じさせます。

その後、プロフェッサーXが登場しますが、彼も認知症を患っており自身の能力を全く制御できていません。メキシコのボロボロの民家に住み、ハイヤーの運転手で日銭を稼ぐウルヴァリンと、認知症で薬漬けのプロフェッサーX。

・・・ここから救われていくんだよね?世界を救ったヒーローだもんね?

 

そして少女の登場。衝撃的なのは登場段階でウルヴァリンより少女の方が強いということ。トリッキーな動きでバンバン敵を殺害していきます。

 

このあたりでヴィランのドナルド・ピアースも登場しますが、特に強くもなければ特殊能力もありません。別に世界の破壊も狙っていません。

逆にこのくらいの敵と戦うのがウルヴァリンの最後の戦いというわけです

 

ここからボケたプロフェッサーXが能力を暴発したり、判断を誤って頼った民間人が皆殺しにされたり、それでも全然少女を救う気にウルヴァリンがならなかったりと、散々な展開が進みます。救われない話というか、救われる気がそもそも無いんですね、ウルヴァリンには。

 

結果的には一定の救いは得ますが、悲惨な終わりをウルヴァリンもプロフェッサーXも迎えます。役からの引退というか・・・死んでるじゃないですか・・・しかも世界を救うとか関係の無い小さな戦いで。

 

でも、何故かいやな映画じゃないんですよね。というか素晴らしい映画なんです。X-menの映画を全部見ていなくても、ムキムキのヒュー・ジャックマンが巨悪と戦うのをどこかで皆みていると思うんですよ。その終わりの映画にこんなロードムービー的な映画を撮るセンスって凄いと思います。

ちょっと「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」を思い出すような、死に場所を探す切ない全体のムードが、ヒーロー映画のトーンと喧嘩しているようでマッチしているような不思議な映画です。

 

後はやはりダフネ・キーン演じるローラが素晴らしくカッコいいです。まず戦い方がカッコいい!足からも出る爪と身軽さをいかしたアクションが凄い迫力です。

特殊な施設で殺人マシーンとして育てられた少女という難しい役柄ですが、抑えた演技も素晴らしかったです。

 

もうヒュージャックマンのウルヴァリンが見れない切なさも少しありますが、こんな素晴らしい最後の映画を見せてくれてありがとう!という気持ちにもさせてくれる映画。劇場で見たかったなぁ・・・。