「私が、生きる肌」
『トーク・トゥ・ハー』のペドロ・アルモドバル監督が、ティエリ・ジョンケの小説「蜘蛛の微笑」を原作に放つサスペンス。亡き妻の代役を創造しようとする形成外科医と、そのゆがんだ愛情のいけにえとなってしまった者の姿を、退廃と官能が入り交じる鮮烈なタッチで活写していく。『アタメ』以来となるアルモドバル監督とタッグを組むアントニオ・バンデラスが、これまでのワイルドでセクシーなイメージを封印し、狂気に支配された形成外科医を怪演。彼によって別人にされていくヒロインにふんした『この愛のために撃て』などの注目株、エレナ・アナヤの肌と肢体を惜しげもなく披露した熱演も見ものだ。
(シネマトゥデイ)
72点
正直あまり期待していませんでした。ペドロ・アルモドバル監督の作品はあまり肌にあわないって事もありますし。
以下ネタバレあり
変化形フーダニットって言うんですかね。もうワンポイントの衝撃に全てをこめたというか・・・。
アントニオ・バンデラス演じる整形外科医が、全身ガーゼに包まれている謎の美女を監禁しているところから始まります。彼は奥さんを亡くしていて、どうやらその美女は奥さんにそっくりな様子。新しい人工の肌の発表会や監禁している美女から迫られたり、監禁している美女が襲われたり、いろいろな事があってついにアントニオ・バンデラスが美女に心を許すところで前半終了。舞台は急に6年前に飛びます。
ここで勘のいい人は「この整形している風の美女がだれなのか」「なぜ監禁しているのか」が明らかにここからなっていくんだろうなと予想がつくかと思います。その展開がまさに驚愕!な訳です。
正直見ながらこの人かなぁ・・・とか考えていましたが斜め上の展開でしたw
それが判明すると、それまでの色々な展開の意味が変わってくる相当衝撃的な仕掛けだった分、それ以降の展開は少しダラっとしてしまったかなとも。
全体的に演出の古さや、欧州の映画っぽい男の愚かさの古い描き方など、気になる部分は多かったですが、展開の衝撃さとエレナ・アナヤの美しさで一見の価値のある映画に仕上がっていたかと思います。
関係ないですがエレナ・アナヤってペネロペに似てますよね。ペドロ・アルモドバル監督の好きな顔って一貫しているのかなと。