中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

東野圭吾「探偵ガリレオ」

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。
(「BOOK」データベースより)
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31点


つまらなくは無い。
だが東野圭吾が好きな人間にとっては「凡作」と感じてしまうのではないか。

全5話からなる近作。
毎回超常現象としか思えない不思議な事件が発生し、困った草薙刑事が湯川助教授に相談し、科学で解決していく。

ここで思う。
推理小説において、オチの方向性が分かっていることほど面白くないことは無い、と。
毎回科学的な何かが原因と分かっているし、それを聞いても物理に疎い自分には「ふーん」といった感想しかうまれない。(容疑者Xの献身のレビューとは逆の事を言っているが…)

そのワクワク感の無さ。
東野作品の最大の魅力である「ミステリー」としての魅力がこの作品には無い。

また科学的な側面から描く本作は、科学的な主人公・湯川のキャラクターもあいまって、東野作品のもう一つの魅力である「人間の内面描写」特に「愛」の描写も皆無である。

東野圭吾を読むなら他の作品からを個人的にはお勧めする。