中式先攻法ブログ

小説や映画、ドラマなどの感想をダラダラ書いてます。備忘録も兼ねて。

沙藤 一樹「D‐ブリッジ・テープ」

近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が…。弱冠23歳の著者が巨大な嘘を告発する新黙示録。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
$Trial and Error

12点


ホラー小説の賞を受賞している作品だが、ホラーというジャンルからは少し離れている気が…。

少年の悲惨な生活、そしてその独白は真に迫るものがあり、表現はグロテスク極まりなく、えげつない。

ただ展開があまりにも無い。

もちろん独白の手法をすべて少年の会話として書いている段階で展開を持たせる考えは無かったと思うし、本の薄さを考えればこれで良かったとも思うが…。
小説として期待して読むと、多少面をくらうかも知れません。

また消化不良感、読後の不快さも残る。

小説版「ブレアウィッチ」だと思って読めば楽しめるかも。
斬新さ、リアルさだけが浮き彫りになっている作品。
個人的には満足いく作品では無かった。
普通に「面白くなかった」と言うべきかもしれない。